無事故を保つための安全対策を職員全員の自主的な学び合いで強化 監査でも驚かれました

八王子市立市役所内保育園 職員数12名 / 定員数16名 /東京都八王子市

施設種別 小規模認可保育園

サービス 保育研修基礎研修(自学自習)

成果 事務の省力化保育・教育の質向上先生間のコミュニケーション改善

この事例の要約

  • 数日かかっていた研修資料の作成時間がゼロに
  • 監査での紙の印刷はなし。パソコン画面の共有のみで通過
  • パート給食室勤務を含む職員全員が研修を受けられるように
  • 職員の前提知識がそろい、保育中の説明時間が減った
  • 日常的な声掛けが生まれ、職員間の学びが広がった

八王子市立市役所内保育園は、市役所の中にある公設民営の保育園。安全対策に力を入れており、開園7年目でこれまで無事故で運営されているそうです。今回お話してくださるのは、看護師で園内研修を担当する丸山さま。オンライン基礎研修サービス「自学自習モード」を導入する前の課題感と、使い始めたことによる変化を教えていただきました。

外部研修はなかなか行けず、園内研修も担当者が大きな負担を抱えていました

自学自習モードを使い始めたきっかけを教えてください。

コドモンのICTサービスを導入し、操作画面にいろいろとふれる中で「自学自習モード」のお知らせを見つけて興味を持ちました。

自学自習モードを始める前の研修の状況はいかがでしたか?

外部研修はなかなか利用できず、その分、園内研修に力を入れていました。外部の研修は14:00-16:00ごろの実施が多く、研修に参加すると、午後の保育者が減ってしまいます。小規模園なので、保育の安全を考えると一人保育者が欠ける影響は大きく、外部の研修への参加は難しい状況です。

当時の園内研修の内容を教えてください。

年間で月ごとのテーマと担当者を決めて、月に1回、各担当がそれぞれの研修資料を準備する形をとっていました。テーマは、すべて安全対策に関わる内容で、前年度末に、安全管理計画を立てるときに決めていました。研修の発表準備はかなり大変なので、年の半分は看護師である私が担当して、担任を持っている職員たちには年2回だけお願いしていました。

それだと、丸山さまの負担がかなり重そうですね。

そうですね。季節ごとにやろうと思っている研修テーマ(AEDや冬だったら感染性胃腸炎や嘔吐(おうと)処理など)があるのですが、やはり事故やヒヤリハットがあると都度テーマを変えることになります。すると、せっかく準備していたものを使うことができず、また一から調べ、学びなおして資料作りをするので、かなり負担がありました。

パート職員も含め全員が研修を受けられるように

そのような中で自学自習モードを使い始めていただいたということですね。導入時の期待や目的があれば教えてください。

自学自習モードは、一項目あたり大体5分から10分で学習できて、ジャンルが複数あるので、年間計画のテーマにあわせて活用できると感じました。
あとは、パート職員も研修に参加できるかもしれないと思ったのが大きいです。勤務時間が限られているパート職員には、それまで研修に出てもらうことができずにいました。自学自習モードであれば、短時間で受講できるので「これだったら、全員が研修に出られるかもしれない」と思いました。

導入するにあたって、何か不安はありましたか?

正直、はじめは不安でした。私は職員に自学自習モードの利用を促す立場ということもあり「ちゃんと操作できるかな?」「みんなにどう伝えたらいいだろう?」など悩みました。思えば、コドモンのICTサービスを使い始めたときにもこういった戸惑いはありました。
でも、実際に操作してみるとすごくスムーズで。管理ページ内の自学自習モードの「はじめかた」をポチっと押したら、導入資料が全部出てきました。それを印刷して配って、画面の遷移を見せながら説明して……というのを職員一人ずつとやりました。

丸山さまがお一人ずつ説明されたんですね。職員の方の反応はいかがでしたか?

最初は不安そうだった職員も「やり方を教えてもらえるならやります」と言ってくれました。マンツーマンで1回一緒に操作をすると、9割方はそのままスムーズに使うことができました。そのあとも、ちらほら質問はありましたが気づいたら全員が使いこなしている状態でした。
最初、少し時間はかかりましたが、結果的に職員が抵抗なく始められたのでよかったです。

普段、職員の方はパソコンから受講されているのですか?

いえ、みんなスマートフォンから受けています。うちの園では、保育中は研修に当てられる時間がほぼないんです。特にパート勤務の方は、勤務時間後は帰宅になるので、自学自習モードでの研修は各自都合のよいときに受けて、あとからかかった時間を報告してもらい、その分の時間給を支払う形をとっています(かかる時間の目安は事前にこちらで把握して伝えました)。支払いの際には、総務に「進捗レポート」画面でテストの合格を確認してもらっています。

家での受講でも給与がつくのですね!

はい。仕事中は保育に専念してほしい、でも全員に研修を受けてもらいたい、という想いがあり、上司に相談しました。上司からは「当事者がよいのであれば、任意でいいですよ」と返事をもらい、パート職員たちにも意見を聞いたところ「スキマ時間10分ずつでいいのなら、ぜひ!」と言ってくれました。あくまでも任意ですが、今では、給食室の職員も含め全員が研修を受けてくれています。

施設外での視聴に残業代をつける施設さんははじめてで、すごくいいなあと思いました。

パート職員はみんな子育て世代で、勤務後帰宅してからも、家事や子育てなどやることが多い方たちです。実際に職員からは「夕飯を作ったあと、子どもがお風呂に入ってる間に見た」という話も聞きます。私自身も寝る前、布団に横になりながら見たりもしています。本当にすごく便利です。

研修の資料作成時間はゼロ さらに職員の前提知識がそろって説明する時間が減りました

ほかに何か、自学自習モードを活用して変わったことがあれば教えてください。

安全対策について、職員の前提知識がそろったことで保育中の説明時間が減りました。たとえば、嘔吐時の対応について、自学自習モードで事前に学習しているので「嘔吐処理の用品はここに置いています。その後の対応はあの動画の通りです」と言うだけで済みます。前提の説明がなくなると話が早いんですよね。私自身すごく楽になりましたし、保育の時間を確保できるようになったのは大きいです。

園内研修について、今はコドモンカレッジと自学自習モードに置き換えられたのですか?

そうですね。基本的にはコドモンカレッジを使っています。動画は1時間ほどあるので、パート職員については、コドモンカレッジ内の10分〜15分間の切り抜き動画を視聴してもらっています。
また、テーマの補足として自学自習モードを活用しています。たとえば、夏前だったら「熱中症」や「水遊びのリスク把握」を見て、事故を予防します。
過去に自分たちで作った資料もそのまま使いまわせるときは利用することもあります。


(自学自習モード「熱中症」。佐久総合病院佐久医療センター 小児科医長 坂本 昌彦先生の講義動画)

研修資料はこれまでどおり、丸山さまや担当の方が準備されているのでしょうか?

はい。ただ、今は新たに資料を作ることはありません。テーマに沿った動画をコドモンカレッジで探して活用しています。

そうなのですね。負担はどのくらい減りましたか?

ものすごく減りました。以前は一つの資料を作るのに数日かかることもありましたが、今はコドモンカレッジの動画から選ぶだけなので、ほぼゼロです。たとえば、AEDに関する研修も以前は最初から制作していましたが、今年はコドモンカレッジの動画を用意して、見終わったあとに実際AEDを操作してみる形に変えました。必要な資料についても、コドモンカレッジの添付資料を一部印刷して回覧しただけなので、私の作成時間はなくなりました。

準備時間ゼロはすごいですね。ほかに、丸山さまの業務が楽になったポイントはありますか?

あとは、個人が扱うには荷が重いテーマをコドモンカレッジ・自学自習モードが代わりに扱ってくれて助かっています。
たとえば「人権」について研修するとして、私がゼロから自分で学んで職員に伝えると、ものすごく時間がかかりますよね。それに、どうしても主観が入ってしまいます。その部分を動画で専門家に代わってもらえるのはとてもありがたいです。


(園庭で水遊びを楽しむ子どもたち)

監査では、研修の実施状況をパソコン画面で見せるだけで大丈夫でした

監査についても伺います。自学自習モードを使い始めたときから、監査で活用する意図はありましたか?

具体的には考えていませんでした。ただ、自学自習モードの中に研修を受けた職員が誰だかわかる「進捗レポート」機能があるので、これがあれば研修を受けている証拠になるなと思いました。数か月前に監査があったので、実際にパソコン上の進捗レポートを監査の担当者に見せたところ、無事通りました。担当者は「こういうのがあるのですね、すごいですね」と興味津々の様子で、私がコドモンの機能やサービスの説明をしました。


(自学自習モードの進捗レポート画面。職員ごとの受講状況が確認できる)

嬉しいです! 丸山さまから監査の方にご説明いただいたんですね。

はい。今年は特に「安全対策」が重視されていたので、質問があったときにはすぐにパソコンを開いて「このような形でやっています」と見せました。印刷はせずに質問ごとにパソコンの画面を切り替える形で対応しました。

それでは、紙の印刷はゼロですか?

そうです。紙の印刷はなく、パソコンの画面だけで大丈夫でした。これまで紙で準備していたものが、すべてコドモンカレッジと自学自習モードに置き換わったと考えるとすごいですよね。

本当ですね。研修のあとにレポートを書いたりはされていますか?

園内研修に関しては書いていません。レポートとなるとまた職員の負担が増えてしまいますし、研修を受けた記録は自学自習モードの進捗レポートに残っているので、いいかなと。今回の監査でもその点は特に問題なかったです。

「あのテストやりました?」自主的な学習で職員同士が盛り上がることも

自学自習モードの受講を職員にどう呼びかけていますか?

いつも、受けてほしいテーマのスマートフォン画面をスクリーンショットで撮っています。その画像を研修書類の中や、タイムカードの横に掲示しておくと「あ、この部分を受ければいいんだ」と、みんなわかってくれるので。
監査のときにも「(タイムカード横の)この紙はなんですか?」と聞かれて、「職員に声掛けするとき、口頭だけでなく紙でもお知らせしています」と伝えました。なるほど、という感じの反応でした。

職員同士でも声掛けなどされているんですか?

そうですね。「あのテストやりました?」「間違っても早送りできないですよね?」とか。テストがあるのが新鮮で、学生みたいな感じで盛り上がっています。なんかそういうのっていいですよね。
ただ、あくまで「自学自習モードに取り組んだ時間、時間給をつける自主的な学習」で、人によって状況も違うので家庭での受講が強制的にならないようには気をつけています。

職員の間で自発的な学びが生まれて、質を保った保育ができるようになりました

保育の中で、自学自習モードの学びが活きた事例があれば教えてください。

たくさんあります!
ひとつは、職員の知識が一律化されて、質を保った保育を提供できるようになったこと。嘔吐処理も、全員が同じ技術で片付けることができています。

あとは、職員の間で自発的な学びが生まれたことです。自学自習モードで上のレベルまで受け進めた人が、保育の中で「動画ではこう言っていましたよ」と話し、それに対して「じゃあ、私も見てみようかな」と別の職員が返すなど、職員の間で学びが広がっていると感じます。

それは嬉しいですね。若い方だけでなく、ベテランの先生にとっても学びはありそうでしょうか?

もちろんです。経験が長くなるとどうしても思い込みも増えてきます。だからといって、自分で本を買ってまで学び直すかというと、ちょっとハードルが高いですよね。自学自習モードやコドモンカレッジでは、最新の情報を映像で学べるので、保育歴が長い先生も「今ってこうなんだね」と言いながら視聴しています。
多分、職員には基本的に学びたい人が多いんですよね。最近も「自学自習モードで、発達特性について最新の知識が学べたらいいよね」と話していました。

実は今度追加されるんです!

そうなんですね、嬉しいです。いろんな説があるテーマなので、職員で認識をそろえられたらいいなと思っています。


(2024年10月にリリースされた自学自習モードの新テーマ)

色々とお話ありがとうございました。最後に一言お願いします。

うちは開園7年目ですが、おかげさまで一度も事故が起きたことがないんです。これも職員がプロ意識を持って、前向きに研修に取り組んでくれているおかげだと思っています。
これからもコドモンカレッジ・自学自習モードの研修動画の更新を楽しみにしています。

■施設情報
施設名:八王子市立市役所内保育園
住所:〒192-0051 東京都八王子市元本郷町3-24-1

「自学自習モード」について知りたい方はこちらからどうぞ

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