八丁はなみずき保育園 (定員数30名 /東京都)
施設種別 認証・認定保育園
この事例の要約
近藤(以下「近」):当園は、2018年の4月に開園したのですが、2017年頃から園長の菅沼(以下「菅」)と私で、どのような保育園を作るか色々協議をすすめてきました。私は前職がシステムエンジニアで、もともと書類を手書きすることがあまり好きではありませんでした。
ところが、保育の業界は「とにかく書類は手で書きます」という世界だと知ったので、どうにかICTを取り入れて省力化やペーパーレス化ができないかと考え、5、6社のシステムを比較しました。最終的に「うちはコドモンさんには勝てません」という会社もあり、コドモンに決定したという背景です。
それ以来、保育士たちにも、「とにかく書類はいらないよ、全部コドモン中心にやりますから」と伝え、我々の仕事は「ICTの環境を整える」ということであると考えています。
近:結果的に私たちの保育の形がドキュメンテーションのようなスタイルになった経緯があります。私たちの場合、「ペーパーレス化」が何よりも先にありました。その上で、日々の記録、連絡帳や月案、日案をまず電子化するというところが第一でしたね。
コドモンを使うならペーパーレス化のために使い倒そうということで、色々な機能を使いこなすための仕組みを作っていきました。ICTを活用すれば、デジタルに写真や文章を残すことができるので、通常の連絡帳や日誌の運用にもどんどん活かしていこう、と試行錯誤してきた結果、ドキュメンテーションに近い保育になったのだと思います。
近:はい、そうですね。とにかく事務作業は全部コドモンに集中させて時間短縮を図り、「子どもに関わる保育業務」を中心にしていきたいと強く思っています。そのために、私たちはコドモンを入れています。
近:面接の際に「必ず一人一台配布している」と伝えると、みなさん驚かれますね。ちょうど今お昼寝が始まった時間ですが、担任の先生が一か所に集まって、みんなが自分のパソコンで連絡帳や日誌をコドモンを使って書いているところですね。
近:今は3,4万円くらいからでもパソコンを買えますから、「消耗品」と考えて全員に割り振ってしまったほうが良いと考えています。
近:マイクロソフトのオフィスが入っているノートパソコンで、メモリは8GBでcore i5です。私たちの場合は、ただ安いだけではなく、作業が滞ることがないように、処理速度がきちんと担保できる端末を選んでいます。
近:もちろん、います。
菅:私もその一人でした。最初は「え!やだー!」って言ったんですよ(笑)。ITは得意じゃないし、パソコンも持っていなかったくらいだったので、「いやいや、むり、むり」って。でも、今では、私がみんなに教えることもあります。今となってはもう、パソコンがないとかえって大変だなぁと感じてます。
近:今さら、紙での運用に戻すって言ったら嫌でしょう。
菅:はい、もう紙には戻りたくないですね!でも、最初は紙が良いと思っていました。連絡帳も、字が温かく感じるんですよね。この「温かみ」がなくなることについて不安や懸念があったのですが、コドモンの連絡帳では「写真を載せられる」というのが、導入を決める大きな要因でした。
なぜなら、普段、孫の姿を見られないおじい様、おばあ様や、毎日子どもの寝顔しか見られないお父さんが、写真や先生方からのコメントが載っている連絡帳を見ることで、家族みんなで子どもの成長を見守れたり、ちょっと疲れたときに元気をもらえたりする。
保護者からも、コドモンの連絡帳のそのような点が嬉しいという声もあり、やはり使って良かったと思いますし、さらにうまく使えるようになりたいなと思います。
先生も、このようなコドモン連絡帳ならではのメリットがわかってくると、どんどん取り組みやすくなっていくんじゃないかなと思います。
近:作成する書類の品質は落とさずに、作業量を減らすことができたと思います。
菅:紙ベースだと、作成する作業そのものに必死になって、園長に提出して終わりになってしまうと思います。でも本当はみんなで情報を共有することが大事だと考えています。
もし先生の誰かがお休みして、その先生の代わりに代打の先生が入らなければならない場合も、そのクラスの週報などの記録を事前に確認することによって、どのような動きをすればよいのかが分かります。端末は一人一台持っているため、わざわざ引き継ぎのために事務所に行く必要もありません。そのような環境は先生にとってとても負担が少ないと思います。
クラスの様子などの情報が共有されることによって、先生たちが率先して動いてくれるようになりました。お休みの先生が出た場合も、「私今日入ります」と声を上げてくれる先生もいます。それは、コドモンを使って施設内の情報がうまく共有できているからだと思います。行事予定にも、先生全員の行事を入れて共有しています。
近:「仕組み」を作って管理しています。写真って、撮れば撮るほど、メモリーカードをパソコンに入れて取り込むという作業が億劫になりますよね。
私たちの施設では、手軽なiPod touchを使って撮影していて、そこに「Googleフォト」というアプリを入れて、iPod touchとノートパソコン間の写真共有を自動化しています。ですので、いちいち写真を取り込む作業が必要ありません。また、「Googleフォト」には顔認証機能がついているため、園児ごとに写真を振り分けることもできます。
あとは、連絡帳や写真販売に使いたい写真を選んでコドモンにアップロードするだけです。そんな形で、作業を省力化できる「仕組み」を作っています。
近:基本的に当園ではクラス単位での写真販売は行っていません。顔認証で各園児ごとに写真を分け、コドモン上では各園児ごと個別にアルバムを作っています。
アルバム内の写真の枚数は園児ごとに違う場合もありますが、、保護者にとっては自分の子どもの写真は充分にあるため枚数自体はあまり気にされません。
近:はい、保護者には好評で、多くの枚数を購入する保護者もいます。
菅:他には、食育指導やクッキング保育などの活動をした際に、Excelで活動内容をまとめて、保護者に共有しています。保護者に園での活動を共有することで、その活動を家庭につなげることもできます。
クッキングなどでは「家庭でもやってみました」と報告をくださる保護者もいます。「昨日、おうちでご飯を作るときに、混ぜるのを手伝ってくれました」とか、「ご飯がいつもより多く食べられました」などのお声をいただくこともあり、保護者との関係構築や連携の強化にも効果的だと感じています。
菅:当園では連絡帳で毎日写真とコメントを書いていますが、コドモンの「保育ドキュメンテーション」では、日々の保育記録を作成し、週が終わった時にその積み重ねが週日案になるというのが新しい考えだと感じました。
月曜日、火曜日、、、と日々の保育を記録し、週の終わりに振り返ったときに「こんな活動ができた」「ここはできなかったから、次の週でもう一回この公園に行ってみようかな」など、保育内容の振り返りをその次の週の保育につなげていけると思いました。
できなかったことが、そのまま「できませんでした」という反省で終わってしまうのが今の現状です。だけど、ここが駄目だったから、じゃあ次の週にもう一回やって、来月もう一回やって、というようにサイクルを回し、1年経った時に、4月、5月、6月でうまくいかなかったものができるようになったね、というところを見直せる保育にしていきたいと思い、使ってみようと考えています。