市内の幼保小中全37施設で導入。保護者コミュニケーションが活性化し、保育者の安心感が高まった理由とは

橿原市役所 こども未来課 奈良県橿原市

施設種別 自治体・公立施設

サービス 保護者連絡帳票作成保育ドキュメンテーション

成果 保護者からの評判UP事務の省力化保育・教育の質向上

この事例の要約

  • お知らせ一斉配信、アンケート、連絡帳で保護者とのコミュニケーションが円滑かつ活発に
  • 市と保護者が直接コミュニケーションがとれ、市全体にとってメリットがある
  • 保育ドキュメンテーションで、子ども、保護者、保育者のつながりが生まれた
  • 保育ドキュメンテーションを通した保育者同士の意見交換が保育の質向上に

こども園(保育所・幼稚園)・小中学校全37施設で一斉にコドモンを導入した奈良県橿原市。
未就学~中学校まで保護者が同じアプリを使えるよう整備をし、保護者と保育・教育施設との情報共有を円滑にして保護者負担を軽減するとともに、職員の省力化を実現。さらに保育所においては保育・教育の質向上に向けて保育ドキュメンテーションを活用し、保育者同士の連携と保育のふり返りの活性化を実感されています。
不安でいっぱいだった現場で保育ドキュメンテーションの活用が定着していった背景を、橿原市子ども未来課の岩本さま、橿原市第2こども園の井上先生、河内先生にうかがいました。

どこかのタイミングでICTを導入しなければいけない時代の流れがあると感じていました

こども園(保育所・幼稚園)・小中学校全施設での導入の目的を教えてください。

岩本さま:保護者の負担軽減、利便性向上と職員の働き方改革です。保護者と施設との情報共有を円滑化し、負担を軽減すること。指導計画や保護者連絡文書作成などの様式を統一して職員の事務作業を省力化すること。
さらに、保育ドキュメンテーションの活用による保育・教育の質向上を目指して導入しました。

保育所は2022年3月から、幼稚園・小中学校では2022年4月からと全施設でほぼ同じ時期の導入となりましたが、一度に導入を進めた背景とコドモンに決めた理由についてお聞かせください。

岩本さま:補助金を活用したことで、この時期に一度に導入することになりました。ただ、時代の流れとしてもICTはどこかのタイミングで必ず導入していかなければいけないと思っていました。
コドモンに決めたのは、現場の先生の声も大きかったですね。保育ドキュメンテーションによって保育のふり返りがしやすくなるという声を聞いていました。

導入にあたってはどのように各施設と連携されたのでしょうか?

岩本さま:ICT推進委員会を設立し、子ども未来課の職員と各園の代表者で月に1度ほど集まり、導入の進め方や現場の先生方への浸透の仕方などを一緒に考えるという形で進めていきました。各園からは、園長などの管理職と実際に端末を操作する先生の両方を代表として選んでいただきました。

井上先生:パソコンなどのICT利用に関わる機器の操作には得手不得手があります。苦手な方は説明を聞いてもなかなか理解が難しいと思い、現場からは苦手意識のない職員を選んでいました。

現場において、操作以外の面で課題はありましたか?

井上先生:保護者が受け入れてくれるかという心配はありました。アプリではなく口頭で直接先生たちとやり取りしたいと思う方もいるだろうし、情報漏えいなどの不安を持たれる方もいるだろうと。でも実際は保護者からの不安の声はなく、「えらい最先端なものを取り入れるんやね」「便利やな~」という前向きな声が多かったです。
保護者からすると、お子さんが夜に体調が悪くなった、発熱した…というときに朝の開園を待たずに連絡できることにメリットを感じていらっしゃると思います。次の日は病院に連れて行ったり、予定があって電話できないこともありますから。ずいぶん先の予定まで登録してくださる方もいますよ。

日々の連絡はもちろん、参観の感想なども活発になり、コミュニケーション活性化につながっています

保護者連絡の円滑化はコドモンをご導入いただく目的のひとつでもありましたね。施設側として、これまでの運用からの変化はありましたか?

井上先生:「お知らせ一斉配信」も「連絡帳」も便利に使わせていただいていますが、なかでも「アンケート」はすごく便利ですね。保護者からの返信も早いですし、回答率も高いです。保育参観に人数制限を設けていたときは、いらっしゃる人数、来園時は車でくるのか自転車なのか、駐車場を使うのかどうか……小さいことですが事前にある程度把握しておかないと、せっかく保育参観にきてくださったのに駐車場がなくて参観できなかったということにもなりかねませんからね。
以前は、お迎えのときに聞き取りしたり、お手紙を配布して書いて戻してもらったりしていたのですが、時間もかかりますし、回答いただけていない方がどなたかもすぐにはわかりませんでした。それが今や一目瞭然ですから、時間の削減にも省力化にもものすごくなっています!

河内先生:集計しなくてよくなったので、そこは子どもたちへ向き合う時間にできているかなと思います。

コドモンで保護者とコミュニケーションをとるようになって、保護者の反応はいかがでしたか?

河内先生:アンケートも連絡帳も手書きよりたくさん書いてくださる保護者が増えたかなと感じました。

井上先生:連絡帳や紙のアンケートを書くとなると、まずペンが必要ですよね。ペンを探すところからはじめていたのが、「スマホでポチポチ…は、やりやすい!カンタンでいいわ~」という声もありました。実は以前は連絡帳が白紙だった保護者の方が、アプリになってからは家での様子をより伝えてくれるようになった方もいらっしゃいます。

河内先生:まめに家での様子が知れるのは、保育をするうえでもありがたいですし、保育参観の感想や、ドキュメンテーションでお伝えした活動について「家でもやりました」とご報告いただくことで、保育に活かしていこうといういい循環が生まれます。

岩本さま:自治体側としても「お知らせ一斉配信」は市から保護者への配信に、「アンケート」は市のニーズ調査に活用しています。回収もスムーズで、活用効果を強く感じます。
橿原市で、おむつやレンタル布団のサブスクを保護者の個人契約で導入できるように整備する話が持ち上がった際にも、以前であればどこの業者を選ぶのかを検討するにあたって選定委員会を作り、そのなかで話し合い…と段階を踏むことが必要でしたが、コドモンのアンケートを使って保護者にPDFデータで情報を共有し、どこの業者がいいのか回答いただき保護者の意見を反映して決めることができました。
コドモン導入以前は市と保護者が直接コミュニケーションをとれるツールがなかったため、保護者にアンケートをとりたい場合は園を通じて紙で配布して、施設ごとに集約してもらい、それをまた市で集めて整理をしていました。施設のみなさんの働き方改革もしていかなければというなかで、こうして施設を間にはさむことなく保護者の意見をダイレクトに集計できることは大変な魅力であり、効果的です。
こうした調査はこども未来課だけではなく、市の他の部署から依頼があって実施するものもあります。これまでに実施したものでいえば、新型コロナワクチンの小児接種の希望割合把握のためのアンケートなどですね。市全体にとってメリットがあるといえます。

職員同士で声をかけ合いながら活用を深め、保育の深まり、幅の広がりを実感できるまでに

実際に日々操作をされる現場の職員のみなさまの反応はどうでしたか?

井上先生:コドモン導入前から、書類作成でパソコンを使うことはあったのですが、なかには「もっとパソコンでの仕事が増えたら、この仕事(保育士)を続けていけるのかな」というほどの不安を抱えている先生もいました。そういう先生に「大丈夫ですよ」と不安に寄り添う声かけをしつつ、少しずつ慣れていってもらいました。今では問題なく、自分で入力して保育ドキュメンテーションを作成できるまでになっています。

河内先生:まずは写真を撮り、その写真を取り込み、ドキュメンテーションの形でとにかくプリントしてみましょう!というところからはじめました。文字入力が負担なら、コメントはプリントした用紙に手書きで書けばいいですよ!とお伝えして。
各クラス複数担任なので各クラス内で互いにカバーし合ったり、年齢の近い話しやすい先生同士で午睡の時間に教え合ったり、「大丈夫?」と声をかけあっていたようです。

井上先生:まず最初に導入効果を実感したのは、0歳、1歳で午睡チェックや排便などの記録を保護者にすっと配信でき、細かく共有できるところでした。操作でわからないところもコドモンのサポートに尋ねたらすぐに答えてもらえたおかげで、ここまで活用できるようになりました。

保育ドキュメンテーションを活用できるようになってからの変化があれば教えてください。

井上先生:各お部屋の前に作成したドキュメンテーションを貼りだしているのですが、「今日こんなことしてね…」という親子の会話につながっています(※コドモンのドキュメンテーションは保護者のアプリへ配信ができるほか、園内掲示用に印刷できる機能があります)。
遊びや生活の様子を親子で共有するきっかけになっていますし、さらにそこに担任も入って話すこともあります。子どもを真ん中に、保護者と保育士と子どもの三者でのつながりが生まれやすいと感じています。
どんな活動をしたのかをまだ言葉でうまく説明できない子どもも、写真を見ることで保護者に伝えられるようで、すごくいいなと感じています。
また、橿原市第2こども園では作成したドキュメンテーションをファイルにし、たまにしか送迎にこられない保護者の方にも園の様子をご覧いただけるようにしています。

河内先生:ファイリングしたドキュメンテーションは先生たちが見返して、保育につなげるという循環も生まれています。職員研修でもドキュメンテーションを使っていて、担任が撮影した写真をほかのクラスの先生にも見せて、「この時、この子はこういう風に思っているんじゃない?」「次はこういう援助でこういう遊びをしたらいいんじゃない?」と意見を出しあうことで、保育の幅が広がっています。
新型コロナウイルスの流行時はほかのクラスと一緒の活動ができなかったのですが、ドキュメンテーションを通して活動の様子、それぞれのクラスの成長の様子を保育者同士が見て、意見をもらって、その意見によって行った活動をまたドキュメンテーションで見せて……ということができたので、ひとりで保育せずにみんなで見てもらっているという安心感もありました。

井上先生:橿原市第2こども園は0~3歳、4・5歳で園舎が離れているので、全職員で…とは言えないのですが、0~3歳と4・5歳それぞれで週に一度は話す機会を設けて、自分たちの保育活動や気持ちを語り合い、安心して保育ができるようにしています。
保育ドキュメンテーションは、操作が苦手な先生も使えていて、当初思っていた以上に書面作成がしやすい点、そしてなにより保育士たちがお互いに共有しやすくなった、共有のハードルが下がったという点において予想をはるかに超えて効果的でした。

職員のみなさまの保育の安心感につながったというのは、とてもうれしいお声です。最後に、自治体として導入の目的が果たせているかどうかについてご意見を伺えますか。

岩本さま:目的は十分に果たせていると思います。さらにプラスアルファで、最初に想像していたよりは一歩踏み込んだ便利さがありました。使ったらこんな便利やったんやな、と思いました。

ありがとうございます。市でも現場でもそれぞれ効果をご実感いただけているとのこと、うれしく思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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